点紋三彩 カラカラ

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この注ぎ口の付いた独特な姿のうつわは泡盛のための酒器でカラカラと呼ばれるものです。
色彩も本土のやきものにはあまり見ない華やかなもので、やや黄色っぽい白掛の上に打った呉須の青と銅の緑そして鉄かあるいはマンガンによる褐色の点紋が珊瑚の透明釉に滲んで効果的です。
薩摩の龍門司や苗代川の窯でもカラカラはたくさん作られていて芋焼酎に使われるといいますからどちらかからどちらかへと伝わったものではないかと思います。
たしかに龍門司でたくさん作られたあの三彩のカラカラとこういうものとは密接な関わりがあるということは間違いないように思うのです。
タイから泡盛と共に伝わったというほどに古いものを見かけないのであるいは薩摩からこの名称と共に伝えられたものかもしれません。

現代の沖縄陶にも立派なものはたくさんありますがそれはすでに再発見された後のもので、伝統への自覚と誇りがなければ現代にあのような仕事は続くわけもありません。
これが無いために失われてしまった仕事は各地で少なくないのです。
そういう仕事は尊いものですが、同時にたちの悪い事に琉球風のおみやげ陶器もたくさん作られました。
一方は用いるために作られ、他方は売らんがために作られた誤魔化しものでここはしっかりと区別して見る必要があると思っています。
写真のものはかなり使い込まれた跡がありますが、おそらくは琉球時代ではなく沖縄になってからのものではないかと思います。
そういう伝統文化の再発見以前、琉球以来の伝統がそのまま残っていた明治から昭和前期に掛けての仕事ではないかと思うのです。


これは蛇足かもしれませんが、作り手として注目したいのは本体に白泥を掛けた後に注ぎ口を取り付けていることです。
こんなことは陶器の作り手以外からすれば特に意味のあることでもないでしょうが、地方地方にいろいろな技術の系譜があったということを書き留めておきたいのです。
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by hanakari | 2009-07-14 19:54 | つちのもの
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