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丹波 赤土部 甕

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赤土部の甕は以前にもひとつここで紹介したことがありますが大変好きなものです。
こちらは大きさもあって立派なもので継ぎ土の跡の段差もアクセントとなっているとともに、この打掛した流釉もこの時代の丹波としてはちょっと珍しいものかとも思いますが、それ以上に目を惹くのはこの赤く冴えた発色でしょう。
赤土部とは江戸時代になって様々な技術革新とともに使われるようになった鉄分の多い泥を主原料とした釉薬ですが、残されたものを見れば暗く沈んだ茶色いものも多くその名が示すとおりこのように赤く美しく発色するのは実は割合としては少なかったのではないかと思われます。
こういう釉は原料とその調合とともに焼成の時の条件や冷め方でかなり結果にばらつきが出るかと思われるのである時代のある窯場固有のものを後になって再現することは実際には不可能であるように思います。
同じような泥を原料とした釉薬はこの時代に信楽や越前や各地の窯で盛んに使われましたが、丹波のある時代の一部のものに見られるような美しい赤は他では見ることが出来ないものでした。
赤くしようとして赤くするのは極めて困難なことで、またそういう意識がそう働いたとも思えないような雑器の仕事の中での出来事です。
おそらくはこの土地の原料、山の傾斜や湿度、薪の種類や焚き方などの条件が偶然揃った時にこの奇跡が起こったのではないかという気がするのです。
丹波でも17-18世紀前半のみに見られるもので江戸中期になればこの調子の赤土部は失われてしまいました。
きっと何かの条件が変わったのでしょう。






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by hanakari | 2014-01-25 09:00 | つちのもの