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ぼてぼて茶碗

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出雲といえば松平不昧公のお膝元故に茶の盛んな土地柄だと聞きますが、いわゆる茶道とは別に民間の軽食としてお漬物やご飯を入れたお番茶を大きな茶筅で混ぜたぼてぼて茶というものが根付いていたのだそうです。
布志名の窯を中心にあちこちで近在の多くの需要に応えて作られたというそのぼてぼて茶の茶碗は豊かに張った丸い姿にぽってりと穏やかな緑釉をまとって不昧の時代のどんな茶陶よりもうつくしいものであるように感じられます。
緑釉の他にはまれに白釉のものもあるそうで、後年には宝珠の陰刻のある低火度の黄釉のものも多く作られたようですが、自分の知る限りは安来の町からほど近い母里の窯でなかなか立派な緑釉のものが二十数年前までは作られていました。
当時はまだ母里ばかりではなくこの地方の幾つかの窯で作られているのを見ましたがここのものが最も風合いもうつくしく、また古格のある姿を留めていて歓んでひとつ求めて帰りました。
母里には大きな登り窯があって仕事場の外には釉を入れた甕が並んでおり、古い時代の窯場の雰囲気をそのまま残した美しい場所でした。
山陰にはたくさんの民窯がありますがその多くは民藝派の作家的な作風の影響を受けた窯が多い中で、ここでは仕事も往時のままに続いているようなものばかりで手水鉢や土瓶など現代らしからぬ気配のものが作り続けられている夢のような窯だったのです。
そんな母里の窯を守っていたのはもう若くはない一人の陶工でしたが後継が育たずその仕事は絶えてしまったと聞いています。
このようにして江戸期以来のたくさんの窯が失われて来たのでしょうが、無理も無いこととはいえなんとも惜しいことだと思わないわけにはゆきません。

松江のobjectsさんとのご縁が出来てこの母里の窯のことを思い出しました。
画像は母里の窯のものではないと思いますが古い時代のぼてぼて茶碗です。
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by hanakari | 2011-08-29 02:27 | つちのもの

コゴミと池本忠義さんの面取白磁鉢

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このあたりではコゴミは4月のものだが北海道大雪山の麓から届いたというコゴミを御裾分けしてもらったのでお浸しにして頂いた。
フキノトウやワラビなんかでもそうだがこういう季節のものを頂くというのは実際の美味しさはもちろんのことだがさらにそれ以上のありがたみが嬉しい気がする。

この白磁は砥部で仕事しておられた池本忠義さんの御作で10数年ほども前のもの。
池本さんが大阪の個展で来られた折に「気難しい人で弱っているので話し相手に来て欲しい」と画廊側に会期中に二度ほど呼び出されてお目にかかった。
仕事は少し知っていて尊敬もしていたので一体どんな難しい人が待っているのだろうかとちょっと楽しみに行ってみると、取っ付きにくいような気難しさと人懐っこさが同居したずいぶん癖の強い妙な人だとも思ったが面白い方だった。
風貌はずいぶん老人に見えたが経歴を見るとあんがい若くて驚いたこと、会場から一緒にちょっと外へ出て二人で街を歩きながら「少し待っていて」と通りかかったスーパーに入って豚足を買って「膝の関節が痛いときはこれですぐに治るんだ」というようなことをおっしゃったなんということもない一場面を思い出す。
鯰の絵付けの皿などを作られていたが絵のない白磁のほうがずっと好きだと言うとちょっと不満そうな顔をされたが、同業のはるかに後輩なのでたとえ生意気でもかわいがってくださったのかもしれない。
鈴木繁男さんのことや砥部には温かみのある独特の良い磁土があることなどを話して下さった。
そういう材料を今では珍しく薪ののぼり窯で焼いた白磁の風合いは美しかった。
この朝鮮風の厚く轆轤で挽いてざっくり面取った鉢はその時にひとつ選ばせていただいたものだが以来気に入って使っていたし、つい折を逃して年月は経っていたもののいつか砥部に訪ねるのを楽しみにしてもいたのだ。
窯に遊びにおいでと誘っていただいたり何度か展覧会のDMを頂いたり年賀状のやりとりもあったが、どちらかの忌中を機にいつかそれも絶えてしまい、以来お目にかかる機会を無くしたままご無沙汰していたのだが昨秋思いがけないところで氏が亡くなった事を聞いて驚いた。

訃報を聞いて以来ずっと食器棚の目に付くところに置いていたがふとこの季節の食べ物を手向けてみたい気になってコゴミを盛りつけてみた。
写真はたぶん池本さんもお好きだっただろうという気がする朝鮮の膳の上で。
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by hanakari | 2011-06-18 19:28 | たべもの

モロゾフ

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いただきもののチョコレートです。
お菓子や料理にも2色のクリームやソースでしばしばスリップウェアと同じように紋様がつけられています。
一方はそういうクリーム状の材料自体が持つ性質、そしてもう一方は西洋の共通の美意識や文化による装飾本能のようなものを両親としてこういう紋様はチョコレートにもクッキーにも陶器にも生まれてきたのでしょう。
自作の似たような紋様のものに乗せてみました。
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by hanakari | 2010-11-02 21:34 | たべもの

ポテトマッシャー

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西洋のアンティークを扱うお店にあったものでひときわ目を惹いた。
このブログはこのところほとんど更新できていないが窯を焚いてやきものを買っていただいた分は確実に何かうつくしいものを求めたので良いものがかなり集まっている。
しっかりと美の栄養を摂らないではよい仕事は出来る訳がない。
私蔵しないで出来るだけ共有してゆきたいとは思っているのでまた追々紹介してゆくつもりです。
値の張るものはなかなか手が届かないであきらめざるを得ない場合も少なくないが、いうまでもなく値段と美とは別問題でもったいないくらいに安いものにもとんでもなくうつくしいものはいくらでもあるのがありがたい。

これはお店の方によると1900年代前期のイギリスのものだそうで、そういうことはよくわからないけれども木製のハンドルのやつれた風合いも金属部分の鈍い輝きからもそれ相応の年月を経て使い込まれて来たものだということは見て取れる。
轆轤で作った膨らみのあるハンドルから捻った太い三本の針金が伸びてジャガイモを潰す部分を支えている。
この道具には使い込まれた味わい以前に確かなバランスがある。
しかもまだまだしっかりと機能を果たすことも出来るのだからこれを求めない訳にはゆかなかった。
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by hanakari | 2009-06-30 02:10 | かねのもの

江戸柿

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果物のうちでも柿は全部好きですが江戸柿とか代白とか大蓑とかそういう柔らかく熟してから食べる柿は特別に好きです。
半透明の薄い皮に覆われたたっぷりと内側から張りつめた姿もうつくしく、またその鮮やかな色彩もうつくしい。
こういう美味しさやうつくしさはいかにも季節の恵みという気がします。

うつわはずっと自家用にしている丹波立杭の清水俊彦師のもとで修行時分の最後頃に作らせていただいた白掛櫛目のお皿です。

今夜は冷え込んで氷点下に下っています。
秋もそろそろお終いですね。
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by hanakari | 2008-11-18 22:11 | たべもの

ぶどう

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時々季節のフルーツも欲しくなります。
つややかで張りつめたブドウの肌も深い色彩も綺麗です。
うつわは最近お気に入りでなにかと使っている朝鮮時代の堅手の浅鉢。
朝鮮のこういう雑器はくだけたところとキリッとしたところが同居していて気の張った場面でも充分に立派につとまりますが、普段使いにもとても心地よく馴染みます。
板はこれもとんでもなくうつくしい最近手に入れた相当に使い込まれたまな板です。

写真は9月16日に撮ったもの。
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by hanakari | 2008-09-29 21:25 | たべもの

ナスのトマトソースパスタ

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タマネギとニンニクを炒めてトマトソースを作り、茹でたフジッリとあわせて器にいれたものにオリーブオイルであえたナスとチーズを乗せてオーブンで焼いたもの。
うつわはこれも一種のスリップウェアの仲間でデボンで作られたものです。
夏野菜のオーブン料理にはこういううつわが似合います。
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by hanakari | 2008-08-01 22:54 | たべもの

アールグレイ フレンチ ブルー

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マリアージュ フレールのアールグレイ フレンチ ブルーという紅茶です。
ほんとうに上質の茶葉を用いているのでしょう。
すっきりとして全く雑味も嫌な渋味もない美味しいお茶にベルガモットの素晴らしい香りがします。
そして目にもうつくしいのはブルーエという花が入れられていることです。
この深い青の色からフレンチ ブルーという名前が付けられたのではないかと思います。
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by hanakari | 2008-08-01 22:22 | たべもの

星形のケーキと白いお皿

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お菓子や料理の成型や装飾はしばしばやきものの仕事ととても似ているように思います。
このようなカップケーキがどういう型の使い方をしているかというふうなことがふと気に掛かったりするのです。
星のかたちのこのうつくしいケーキは地元のゾンネ・ウント・グリュックというお店のもの。

白無地のお皿はフランスの ジアン社 で1871-5に作られたものだそうです。
近ごろ人気の古いオランダデルフトでなくても全くひけを取らない。
器の底を見れば高台も削られており中央にはロゴマークも押されているのでああいう素朴な手仕事よりは余程変化してはいるがその確かなかたちと釉薬のうつくしさはむしろデルフト以上に好きな感じだったのでよろこんで求めた。
普段使い用にと思って二枚求めたがもう一方は1886-1938までのわりに長い期間用いられたロゴが押してあり、この二枚の皿が作られた間にほぼ同寸同型のものであるにも関わらず様々な製陶技術上の変化が見てとれるのも面白い。
これらは全く別物でありそれぞれにうつくしい。
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by hanakari | 2008-07-24 06:21 | たべもの

赤白金

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赤 イチゴ
白 和蘭陀の皿
金 真鍮のオリーブフォーク
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by hanakari | 2008-04-05 00:51 | 草木花実