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壺屋 佛花器

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琉球時代に壺屋で焼かれた佛花器です。
めりはりの効いた轆轤のかたちに独特の温かみのある白掛けをして飛びかんなを当てたあと色を差して仕上げています。

今では膨大に作られている沖縄の陶器を扱うお店もたくさんありますし、古いものを見つけることもそれほど難しくもありませんがかつては限られたお店にしか沖縄の陶器は置いていませんでした。
ましてやこういう古いものについては濱田庄司旧蔵の売立があると聞いては始発の新幹線に乗り、九州のお店に多くあると聞いては遠くまで訪ねてたくさんのものを見せて頂いたものです。
どんなに好きでもそういう機会を逃してはまず手にすることが出来るものではなかったのです。

ところが情報も物流も非常に発展した今ではいくらでもよいものを見つけて数日後には沖縄から届く時代になりました。
しかしせっかくよいものはあっても自分にはそう多くを求める力はありませんが、それでもとある沖縄の道具屋さんからいくつかのものを送っていただき大変感激したのです。
心躍らせて開ける荷物の中にはいつも郷土のお菓子や泡盛の小さな瓶などが入っていました。
品物がよいのはいうまでもありませんがそういう心遣いをも忘れることのない正直で親切な方でした。

この佛花器もそのようにしてぼくのところに届いたものです。
人間の生涯よりもはるかに長い器物の生命は多くの人の手から手に守り伝えられているのです。
こしらえた陶工はすでになく、琉球のどなたかの佛檀か墓前に供えられた数百年の後に役目を終えたこの佛花器を京都まで送ってくださった方もまた入寂してしまわれました。

蓮を手向けて多々のご好意に感謝と共にご冥福をお祈りしたいと思います。
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by hanakari | 2011-09-29 07:15 | つちのもの