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輪線紋 皿

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これはぼくが沖縄のやきもの好きなのを知ってあるうつわ屋さんが在庫の整理の折に下さったものですからせいぜいこの10数年の間に作られたものだと思います。
白掛した素地の青みを帯びた焼け上がりや呉洲の色の冴え方からすれば還元気味の炎で焼かれたものかと思いますが、こういう焼きのものは古い壺屋の上焼にはほとんど見られないものです。
薪の窯のようですからたぶん読谷辺りのどこかで作られたものではないかと思うのですがおそらくは窯の構造が違うのでしょう。
先日書いた価値を再発見後の自覚の仕事とはこういうもののことで、呉洲と鉄あるいはマンガンによる三彩の装飾も端反りのかたちも蛇の目に抜いた重ね焼きもすべてむかしそのままではないにしても正しく琉球時代からの仕事の伝統を受け継いだものです。
沖縄では幸いこういう立場に立って仕事を続ける方が少なくないようで昔に劣らない立派なものがたくさん作られているようですが、全国的に見ればそんなことはむしろ奇跡的と言わねばならない状況なのです。
こういった沖縄の現代のやきものに需要があるのは琉球的であればこそという現実に目を向けなければなりません。
もしもそれが今の信楽とか益子のようにどこにでもありそうなものばかりになったときには残るのはほんとうに力のある個人だけで、沖縄のやきもの全体は果たして今程に評価されるでしょうか。
地場産業であれば時代時代の需要に応じてその生産体制も製品も移り変わってゆくことは必然なのですが、かといって需要が落ちたからといって過去の資産を簡単に捨て去ってしまうのはいかにももったいないことだと思わない訳にはゆきません。
よりうつくしいものが出来るのならばそれにこしたことは無いのでしょうが実際には過去を越えることは容易ではないのです。
しっかりと学んで守り伝えてゆく中で現代に過去の資産を生かす方法はないものかと思います。
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by hanakari | 2009-07-16 23:32 | つちのもの
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