琉球文化はその地理的条件の必然でしょうか東南アジアからの南方系のものと中国大陸からのもの、そして日本本土からの影響が色濃く感じられます。
やきものを見てもそれぞれの影響がはっきりとしたかたちで残りながらも同時にそれはただそのままではなく成熟した土地独自のうつくしさへと昇華しているところにその魅力があるのではないかと思うのです。
ぼく自身も琉球のやきものには早くからずいぶんこころを惹かれながらもなかなか資料は集まらないでいたのですがこの瓶子はまだ学生の頃に見つけることが出来て歓んで求めました。
琉球独自の姿をしたこういう袴付きの瓶子は一対で霊前に設えるものでしょうか信仰の厚い彼の地ではかなりの数が作られたようで今でも残るものは少なくありませんが、このような泥釉をまとった細身で厳しい姿のものはおそらくかなり時代もさかのぼり、あるいは1682年に近在の窯が壺屋に統合される以前のものではないかという気もします。